「なんでそこまで言われなくちゃいけないの!?」
パワハラ上司の吐く言葉に、心の中でブチ切れた経験はありませんか?
- 上司から言われたキツイひと言に心が折れた
- ねちねちとパワハラされて、もう仕事に行きたくない
- こんな職場やめてやる!と思うけどなかなか実行できない
理不尽な上司の言葉に、泣き寝入りする必要はありません。
本記事では、理不尽な上司に対して、どう行動を起こすべきかの最善策を紹介しています。
自分を守るのは、やはり自分。
不利な状態に追い込まれてしまう前に、この記事を読んで、今の状況を少しでも変えるきっかけをつかみましょう。
高圧的なパワハラ上司に言い返すには
高圧的にパワハラをしてくる上司に対して、反撃するテクニックについてお伝えします。
パワハラ言動に対抗する手段は以下の4つです。
- 根拠をもって論理的に話す
- 毅然とした態度をとる
- やまびこトーク
- 然るべき機関に相談します
根拠をもって論理的に話す
パワハラ上司に対しては、根拠をもって論理的に話す必要があります。
部下をバカにするような言動が多いパワハラ上司に言い返すには、以下の5つを意識しましょう。
- 結論から話す
- 主語を明確に
- なるべく数字を入れる
- 事実と推測、意見を分けて示す
- 報連相を徹底する
あいまいな言葉やざっくりとした表現を控え、根拠のある論理的な言い方を続けると、論理的に反論してくる人へは一方的にパワハラができないので、頻度が減るかもしれません。
毅然とした態度をとる
パワハラ上司の多くは、よく理不尽な言いがかりをつけてくるため、忽然とした態度を示す必要があります。
過度に反抗したり、恐怖を感じたりすることなく、落ち着いて対応する姿勢が求められます。
ポイントは「一方的に言い負かされない」です。
パワハラをする上司は、相手が怯えていたりオロオロしていたりすると、さらにパワハラを激しくする傾向があるため気を付けましょう。
やまびこトーク
パワハラ上司からひどい言葉をかけられたら、礼節を保ちつつ不快な単語を繰り返す「やまびこトーク」で大人の対応をしましょう。
パワハラ上司の挑発には乗らず、相手が使っている言葉を深掘りしながら、真意を聞いていくのがコツです。
ポイントは「ひたすらやまびこトークを繰り返す」です。
やまびこトークを続けていると、パワハラ上司も対応が面倒に感じはじめ、不用意な言葉は使わないようになっていくでしょう。
然るべき機関に相談します
対処法を試してみてもパワハラ上司の態度が改善されない場合は、相談機関を頼る旨を宣言してしまう方法もあります。
相談窓口の候補は以下の7つです。
- 社内のハラスメント相談窓口
- 労働基準監督署(全国労働基準監督署の所在案内_厚生労働省)
- 労働局(労働局所在地一覧_厚生労働省)
- 総合労働相談コーナー(総合労働相談コーナーのご案内_厚生労働省)
- 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省委託事業)
- みんなの人権110番(常設相談所_法務省)
- こころの耳(こころの耳_厚生労働省)
ただし「相談窓口を利用します宣言」は、パワハラ上司にとって火に油を注ぐ形になりますので、関係性の改善は望めないでしょう。
パワハラ上司に言い返す前の注意点
テクニックを知ったらすぐに使いたくなりますが、実際に言い返す前に注意すべき点があります。
あなたの今後を左右する部分なので、ここはスルー厳禁ですよ!
気になる注意点は以下の4つです。
- 二人きりの状況は避ける
- 感情的にならないようにする
- ボイスレコーダーは必須アイテム
- なぜ自分がターゲットなのか考える
二人きりの状況は避ける
パワハラ上司と二人きりの時は、言い返すのはやめましょう。
なぜなら、他の人の目が届かないところではパワハラがエスカレートしやすいからです。
言い返したとしても、さらなる攻撃をうける可能性が高まります。
言い返す目的が無かったとしても、パワハラ上司からはなるべく距離をとり日頃から二人きりにならないよう気を付けてください。
感情的にならないようにする
パワハラ上司に対して言い返すなら、冷静さを保ちましょう。
感情的になっていると、墓穴となるような言葉を口にしてしまいやすくなります。
たとえ怒りや悲しみがこみあげてきたとしても、感情に任せて言い返してしまうのではなく、以下のように気持ちを落ち着ける方法を思い出してください。
- 深呼吸をして気持ちを静める
- 1,2,3,4,5と頭の中で数える
- 一旦その場から離れる
冷静に対処すれば論理的な会話になりやすいので、感情的にならないよう注意してください。
ボイスレコーダーは必須アイテム
上司のパワハラから自分を守るために、ボイスレコーダーはかなり役立ちます。
会話の一部を録音しておけば、パワハラが行われている証拠のひとつとして他人に示せるからです。
パワハラを証明するためには、1度や2度の音声データでは足りません。
チャンスがきたらすぐに録音できるよう、以下のような準備もしておきましょう。
- ボイスレーダーをなるべく手元に持っておく
- 操作を覚えておく(手元を見なくても扱えるのがベスト)
- パワハラの内容や行われた日付をメモしておく
なぜ自分がターゲットなのか考える
残念ながら、パワハラのターゲットにされやすい性格や特徴があります。
もし、パワハラされている今の上司に何か言い返したとしても、会社での振舞い方を変えない限り、同じパワハラが繰り返される可能性が高いといえます。
パワハラを受けないために、知っておきたい狙われやすい特徴は以下の5つです。
- 頼まれると断れない
- 自己主張をしない
- 声が小さい、おどおどしがち
- 真面目で優しすぎる
- 仕事ができ過ぎるor仕事ができなさ過ぎる
上記以外にも、職場の中で孤立しがちな人はターゲットにされやすいと言えます。
自分に当てはまる部分はないか、少しずつ変えられる内容はないかを考えておくといいですね。
【タイプ別】パワハラ上司の対処法
パワハラ上司と言っても、様々なタイプに分類されます。
まずは傾向を把握し、タイプに応じた対処の仕方を考えていきましょう。
画像引用:厚生労働省 パワハラ6類型
ここでは8パターンご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 精神的なパワハラ
- 身体的なパワハラ
- 過大な要求のパワハラ
- 過小な要求のパワハラ
- 陰湿なイジメのパワハラ
- 私的なことに対するパワハラ
- 直属の上司のパワハラ
- 社長がパワハラ気質
精神的なパワハラ
悪口や叱責など心にダメージを負わせる行為は、精神的なパワハラに当たります。
- 他の社員の前で過度に叱責する
- 人格を否定する
- 長時間、罵声を浴びせ続ける
ただし、パワハラをしている本人が「部下への教育」として良かれと思ってやっている場合もあります。
上司側に自覚が無いようであれば、相手の意見を受け止めつつ、自分の気持ちをやんわり伝える方法も試してみるといいでしょう。
ご指摘いただいた点については、改善するようにします!
ただ、そのような言い方はとても傷つきます。
それでも聞き入れてもらえない場合は、信頼のおける上司や同僚を通じて伝えてもらう工夫が必要です。
身体的なパワハラ
殴る、蹴るなど身体にダメージを与える行為は、身体的なパワハラに該当します。
- 突き飛ばす
- 髪の毛を引っ張る
- ダンボールやファイルなどを故意にぶつける
故意に身体へ直接的に攻撃を加えるパワハラは、暴行罪にあたる可能性があります。
「やめてください」と訴えてもパワハラ行為が減らない場合は、証拠を残しつつ、信頼のおける上司や同僚に相談すべきです。
過大な要求のパワハラ
能力を超えた業務の強要や作業妨害など、適正な範囲を超える指示をする行為は、過大な要求のパワハラにあたります。
- 終業時刻の直前に膨大な量の仕事を押し付ける
- 毎日残業をしてもこなせない仕事量を課す
- 業務に必要な書類を渡さない、やり方を教えない
無理難題を突きつけた上に、業務が達成できないと叱責するケースがよく見られます。
過大な要求をされているにもかかわらず、自分の努力が足りないと頑張り過ぎて体調を崩してしまう、うつ病になってしまうなどが多いのも特徴です。
パワハラとして周囲に伝わりにくい部分もありますので、ひとりで抱え込まずに第三者へ相談しましょう。
過小な要求のパワハラ
個人のスキルに見合わない簡単な仕事ばかりをさせる、仕事を与えないなどの行為は、過小な要求のパワハラに該当します。
- 雑用ばかりやらせる
- 仕事のやり方を教えない、やらせない
- 別室に隔離する
上司にならって周囲の人もパワハラ行為に加わる、上司に逆らえずに周囲が黙認するなどの場合があります。
社内の雰囲気がパワハラ体質に偏っているのであれば、さっさと転職をしてしまった方がいいかもしれません。
陰湿なイジメのパワハラ
表面上では分かりにくい嫌がらせ、仲間外れなどは陰湿なイジメの可能性があります。
- 業務に必要な書類を渡さない、やり方を教えない
- 社内イベントの日程を教えない、誘わない
- 複数人で示し合わせて無視をする、嫌がらせをする
特定の上司に限らず、複数人が結託して職場イジメを行っているケースに関して、パワハラと認められる可能性もあるのです。
ただし、陰湿なイジメの場合は証拠が残りにくく、他の人に理解されにくいため、泣き寝入りするしかない状況も多いといえます。
忽然とした態度をとる、はっきりと主張するなど強めの姿勢に変える、証拠を複数集めて総合労働相談コーナーに相談するなど、今の状況を変えるための行動が必要です。
予約不要、無料で相談にのってもらえます。
私的なことに対するパワハラ
執拗に私的なことを追求する、プライバシーの侵害などは、私的なことに対するパワハラに当たります。
- プライベートでの行動や人間関係をしつこく聞く
- 知りえた情報を他の人に言いふらす
- 深夜や休日に執拗に連絡を繰り返す
休暇申請した内容にケチをつける、独断で却下しようとするなどの「個の侵害」が過剰であるとパワハラにつながります。
最近では、プライベートなSNSをチェックして、書いてあった内容について指摘するといった行為も散見されているのが現状です。
私的な内容に関しては、たとえ上司が相手でも答える義務はありません。
行き過ぎた詮索はパワハラになる旨を伝える、社内での共通認識として広めるなどの工夫が必要です。
直属の上司のパワハラ
ここまでは、パワハラの種類別に対処法をお伝えしてきましたが、上司の肩書によっても対処が変わってくる可能性も知っておいてください。
パワハラ上司よりも上の役職者に相談すれば、パワハラ問題が解決する可能性があります。
- 上司が係長の場合、課長に相談
- 上司が課長の場合、部長に相談
パワハラ防止法が改正され、企業ではハラスメント相談窓口が設置されはじめていますので、思い切って利用するのもいいでしょう。
社長がパワハラ気質
会社の上層部である社長がパワハラを行っている場合は、転職してしまうことをおすすめします。
規模の小さな会社では特に社長の影響力が大きく、パワハラが改善されにくいからです。
そもそもパワハラ社長は、自覚がほとんどありません。
部下に注意されたとしても聞く耳を持たず、指摘があったとしても発言者を退職に追い込むなどがみられます。
社長のパワハラが横行している会社は「ブラック企業」とも言われ、労働基準監督署に相談できますが、アドバイスをもらえる程度ですぐに解決するわけではないのです。
外部機関に相談した事実は社長にはバレやすく、パワハラ被害が深刻化する可能性もあります。
解決できるか分からないパワハラ問題に時間や手間をかけるよりも、転職活動に注力した方がいいのではないでしょうか。
パワハラ上司に言い返すより転職した方がいい理由
あなたが意を決して上司に言い返したとしても、現状は何も変わらず、じつは転職した方があっさり解決する場合がよくあります。
ドラマのように、行動を起こしただけで周囲の理解が得られ、すべてが好転していくのは稀なのです。
現実的には、以下のような結果が待ち受けています。
- 立場的に自分が不利になりやすい
- 精神的に辛くなる
- 部署移動願いもすぐに通らない
- 外部にパワハラ相談しても時間がかかる
- パワハラ上司から逃げるのは普通のこと
立場的に自分が不利になりやすい
パワハラ上司と部下の場合、大抵は部下の方が不利になりやすいと言えます。
なぜなら上司の方が仕事の実績や、社内の人間関係を積み上げてきているからです。
さらにパワハラ上司に言い返して、一時はスカッとした気分になっても、上司がすぐに会社からいなくなる可能性はほぼありません。
「上司に言い返す部下」としてのレッテルが貼られ、他の役職者からも警戒される恐れがあります。
部署移動願いもすぐに通らない
会社の規模や仕組みにもよりますが、部署移動願いを出しても受理されるまでに時間がかかるのがほとんどです。
1人の人材を異動させるためには、以下のようなコストがかかります。
- 異動できそうな部署があるのか
- 上司と部下、どちらが異動するのか
- 抱えている仕事はどれくらいあるのか
- 引継ぎができる人材はいるのか
会社側にそれだけのコストをかける余力がない場合は、当事者同士の関係修復を促される可能性もあります。
外部にパワハラ相談しても時間がかかる
パワハラ問題は事実確認が難しく、外部機関に相談しても解決までにかなりの時間がかかります。
パワハラを受けた事実があったとしても、それがどの程度なのか見極めるために様々な角度から事情を確認する必要があるからです。
世間のパワハラへの理解が広まる一方、制度を自分のために利用する人も増えています。
- 気に入らない上司への嫌がらせの一環として「パワハラを受けた」と訴える部下
- 業務上の些細な注意を受けただけで「パワハラだと感じた」と表現する部下
個人の受け止め方の差が大きい事実もあり、パワハラについての相談をしても1度でスッキリ解決といかないのが現状です。
精神的に辛くなる
パワハラ上司に言い返した結果、パワハラ度合いがヒートアップする可能性があります。
これまでもストレスだった上司のパワハラ言動がさらに増えたとしたら、精神的に辛くなるのは目に見えていますよね。
実際に、ハラスメント被害を受ける頻度として、週に数回以上が55.3%と常態化しているのが分かっています。
パワハラを受けた経験者の半数以上が「転職」を視野に入れた行動を起こしています。
さっさと転職して人間関係を断ち切ってしまった方が、あなたの精神的な健康は保たれやすいのではないでしょうか。
パワハラ上司から逃げるのは普通のこと
上司からのパワハラがきっかけで転職するのは、珍しい話ではありません。
もし、すぐに転職できる状況でなければ、パワハラ上司とひたすら距離をおくことを意識してみてください。
- パワハラ上司と二人きりにならない
- 会話は極力減らす
- 視線を合わせないようにする
パワハラを受け続けて精神的な病にかかってしまえば、仕事すらできなくなります。
それに加え、いざ「転職したい」と思っても、すぐに転職先が決まるわけではありません。
早いうちに、転職情報にチラッとでも触れておくのをおすすめします。
今の転職事情が丸わかり!実際に役立ったおすすめ転職サイトランキング
まとめ
今回は、パワハラ上司に言い返すテクニックなど、理不尽な上司の対処法についてお届けしました。
真っ正面からガチンコで言い返すよりは、パワハラ上司への対処法を駆使して距離を置き、関わらないようにすることをおすすめします。
・根拠をもって論理的に話す
・”毅然とした態度をとる
・やまびこトーク
・然るべき機関に相談します
パワハラされている状態は、あなたがダメだという証拠ではありません。
単に、職場の環境や上司との相性が合わなかっただけ、という場合がほとんどです。
選択肢は、いくつも存在します。
パワハラ上司への対処法を試したり、第三者に相談したりした上で効果が無いと分かれば、すっぱりと転職の道を選ぶのもひとつの方法なのではないでしょうか。