1か月で40時間も残業しているのに、手取りが20万円は納得がいかない。
このような悩みを持っていませんか?
結論から言うと、残業40時間で手取り20万円は妥当な金額と言えます。
- 残業40時間で手取り20万円が妥当な理由
- 長時間労働の生活から脱出するための方法
- 残業40時間を超えると違法かどうか
本記事では、一般的な残業時間や残業代をもとに月残業40時間で手取り20万円が妥当な理由や、生活が苦しい場合の対処法を解説しています。
あなたの働く環境が不当でないかを知り、より満足のいくキャリアライフを目指しましょう。
残業40時間で手取り20万円は安いの?
月残業40時間で手取り20万円は、基本給が20万円の人であれば妥当な金額です。
その理由を、下記3つの情報をもとに具体的に解説します。
- 残業40時間は普通より多い
- 残業40時間で手取り20万円は妥当
- 残業40時間がしんどいのは「働き方改革」の影響
今のあなたの環境と比較してみて、ぜひ今後のあなたのキャリアプランの参考にしてみてください。
残業40時間は普通より多い
1か月の残業時間が40時間というのは、平均と比べて多いです。
厚生労働省が2021年に発表した調査でも、正社員の平均残業時間は13.2時間となっています。
残業が月40時間は、毎日2時間近く残業することになります。
プライベートの時間が取れないと感じるなら、働き方の見直しが必要です。
残業40時間で手取り20万円は妥当
月に40時間の残業をする場合、基本給が20万円だと手取りは約20万円になります。
- 1か月の残業代=1時間当たりの賃金×1.25×残業時間
- 1時間当たりの賃金=月給÷1 か月の平均所定労働時間
基本給20万円の場合、1時間当たりの賃金は約1,250円のため、月40時間残業すると残業代は
1,250×1.25×40=62,500円(残業代)
となり、額面の金額は200,000+62,500=262,500円です。
手取りの金額は額面の金額から約8割となるため、
262,500×0.8=210,000円(手取り)
となります。
このことから、残業40時間で手取り20万円は妥当と言えます。
残業40時間がしんどいのは「働き方改革」の影響
残業40時間がしんどく感じるのは、昨今の「働き方改革」の流れで残業時間が少ない会社が増えたからです。
2012年~2015年ごろまでは1か月の残業時間の平均が40時間だったので、当たり前の話でした。
引用:HRpro
働き方改革で特に変化が大きいのは、1か月の時間外労働に上限を設けたり、長時間の労働に対する賃金引上げによる、長期労働の解消です。
36協定の実施やリモートワークの普及により残業時間は毎年減ってきています。
平均残業時間が10年前の半分ほどになった2023年では、月の残業時間が40時間というのは周りと比べて多いため、しんどく感じるでしょう。
残業40時間の人が知るべき法律|違法になるケース3選
労働時間が多いとき、どのような場合に違法となるのか3つご紹介します。
- 会社が36協定を結んでいないと残業40時間は違法
- 36協定の残業上限「月45時間」「年360時間」を超えても違法
- 残業代が出ていない場合も違法
それぞれについて、法律と照らし合わせながら解説します。
自分が働いている職場が、法に沿った正しい職場か確認しましょう。
会社が36協定を結んでいないと週40時間を超える労働は違法
36(サブロク)協定を、労働者と企業間で結んでいない場合、下記を超える労働は違法です。
- 1日に8時間以上
- 週間で40時間を超える労働
労働基準法により、1週間で40時間以上の労働は原則禁止されていますが、36協定を結ぶことで上限以上の労働が可能になります。
労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められます。この労使協定を「時間外労働協定」といいます。なお、時間外労働時間には限度が設けられています。
1日8時間労働で週5日働く場合、1週間で40時間の労働時間に達するため、残業するには必ず36協定を結ばないといけません。
もしあなたが勤めている会社が36協定を結んでおらず、1日8時間以上の労働がある場合は、上司へ相談したり労働基準監督署へ相談するのが良いでしょう。
36協定の残業上限「月45時間」「年360時間」を超えても違法
勤めている会社が36協定を結んでいても、下記の労働時間を超えていれば違法になります。
- 1か月の残業時間が45時間を超える
- 年間の残業時間が360時間を超える
36協定を結んでいるからと言って、好きなだけ残業させて良いわけではありません。
ただし、以下の条件の全てが満たされた場合、例外的にこの上限を超えての労働が認められるケースもあります。
- 労働者側と企業側の双方の合意が必要
- 特別な理由で上限を超えて働く必要がある場合
- 2~6か月の平均残業時間が80時間未満である
「特別条項付き36協定」を結ぶと、例外的に月に100時間まで残業が可能になります。
繁忙期や突発的な業務が発生して対応が必要な時に特例の申請をすることで、上限を超えた労働を可能にするためです。
ただし、特別条項を締結しておらず、1か月に45時間を超えた残業は違反です。
残業代が出ていない場合も違法
残業をしたのに残業代が出ない場合は、もちろん違法です。
基本給は所定の労働時間働いた場合に支給される給与のため、所定労働時間を超えた労働には残業代を支払わなければなりません。
残業代を出さないと違法となるのは、以下のようなケースです。
- サービス残業
- タイムカードを定時で押させる
- 名ばかり管理職
もし残業代の未払いがある場合は、会社に未払い分を請求できます。
自分が働いている制度や立場を確認し、残業代が出るべきなのか判断しましょう。
みなし労働時間制や固定残業代性などの労働形態や、管理職に就いている場合は残業代が支払われなくても違法でないこともあります。
残業40時間で手取り20万円のきつい生活を脱出する方法4選
残業40時間で手取りが低く、生活が苦しいという方が取るべき対処法を4つご紹介します。
- 残業時間を短縮できないか工夫する
- 副業で収入アップを図る
- 基本給が高い会社に転職する
- 残業が少ない会社に転職する
残業時間を減らしてワークライフバランスを重視するか、残業してもいいから給料を増やしたいかは人それぞれです。
自分に合った対処法を試して、金銭的にも精神的にも余裕のある生活を目指しましょう。
残業時間を短縮できないか工夫する
残業40時間だときつい場合は、残業時間を短縮できないか工夫してみましょう。
残業になってしまう原因は人によって様々です。
- ミスが多い→スピード重視で質に手が回っていない
- 仕事を抱えてしまう→人に頼るのが苦手
このような場合、下記のように対策すれば、業務を効率化できる可能性があります。
- ミスが多い→スピード重視で質に手が回っていない
⇒テンプレートを作る - 仕事を抱えてしまう→人に頼るのが苦手
⇒報連相のルールを作る
業務を少しでも効率化できれば、残業する時間が減り、生活にゆとりが見えてきます。
仕事を効率的に進める方法を常に考え、早く仕事ができる人になりましょう。
副業で収入アップを図る
現代では、副業も収入アップする手段の1つとしておすすめです。
まいにちdodaが2021年に調査した結果では、副業している人の53.5%もの人が、毎月5万円を超える金額を稼いでいるとわかります。
参考:まいにちdoda
以下は、初心者でも始めやすい副業です。
- 単発のアルバイト
- アフィリエイト
- Webライター
副業は収入が増えるほかに、転職の際にアピールできるスキルを養うことも可能。
残業生活を脱出したい人は、ぜひ挑戦してみてください。
基本給が高い会社に転職する
仕事を選ぶうえで年収の高さを重視するなら、基本給が高い会社へ転職を目指すのが良いでしょう。
平均年収が高い業界や企業に転職できれば、同じ労働時間でも基本給のベースアップが可能です。
リクルートエージェントによると、転職エージェントを使って転職した場合、6割の人は年収が上がったというデータがあります。
参考:リクルートエージェント
そのため、年収アップを目指した転職するなら転職エージェントを利用しましょう。
残業が少ない会社に転職する
今の会社の残業時間が多く、ワークライフバランスを重視したいという人は、残業が少ない会社へ転職を検討しましょう。
残業が少なくなると様々なメリットがあります。
- 仕事への気力を維持しやすくなる
- 副業やスキルアップの時間が取れる
- 健康な生活がしやすい
無理な残業で収入を増やしても、体を壊して働けなくなってしまったら意味がないですよね。
1か月の残業40時間がしんどいのであれば、残業時間が少なくなるような会社へ転職を考えましょう。
まとめ
今回は、残業40時間で手取り20万円の妥当性と、きつい生活から脱出するための方法をお伝えしました。
- 残業40時間で手取り20万円は基本給が20万円であれば妥当
- 36協定を結んでいなければ長時間労働はできない
- 月45時間以上の残業しても違法ではない特例がある
- ワークライフバランスを考えた働き方が大事
- 転職エージェントの利用を検討しよう
残業時間が多いのに収入が低いと、快適な生活を送ることはできません。
自分が働く環境が本当に納得できるものかどうか、振り返ってみましょう。
「残業時間が多いのに手取りが少ない」や、「とにかく残業時間を減らしたい」と悩んでいる人はぜひ、きつい生活から脱出する方法にチャレンジしてみてくださいね。