「できれば実家から近い場所で勤務したい」
「やっぱり地元だと嬉しい」
希望勤務地を会社から聞かれたときにどのように伝えればよいのか頭を悩ませている新卒の人や転職希望者はかなり多いです。
どのような回答をすれば希望勤務地で働けるのかが気になりますよね。
企業によっては支店が全国展開しているため、希望勤務地の書き方・伝え方は今後のキャリアや人生設計においてかなり重要なポイントになります。
- 希望勤務地を面接で聞かれる理由
- 希望勤務地は通るのか
- 希望勤務地を伝えてもいいのか
- 東京・実家・地元を希望する場合
今回の記事では面接や履歴書で希望勤務地を聞かれたときの答え方や書き方、理由の伝え方をケースごとに例文を交えて詳しく解説していきます。
説得力のある理由や好印象が残る答え方の例文を解説していますので、新卒の方やこれから転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
面接で聞かれる希望勤務地とは
会社によっては希望勤務地を尋ねられます。
「あなたはどの場所で働きたいですか?」
と聞かれるのですが、応募者の立場としてはどのように答えるべきか迷ってしまうところです。
そもそも、なぜ会社があなたに希望勤務地を聞くのかを考えたときはあるでしょうか?
理由は大きく3つに分けられます。
- 転勤を受け入れる心の準備が出来ているか知りたい
- 首都圏以外の地方でも働く意欲があるのか聴きたい
- なるべく希望を叶えて離職率を下げたい
当然ながら必ずしも希望が通るわけではありませんし、希望勤務地を聞くくらいなので全国に支社・支店がある会社でしょうから、転勤の可能性は非常に高いですよね。
つまり希望勤務地を聞き、あなたの考えや企業に対する興味関心、働く意欲・覚悟などを聞き出そうとしているのです。
もちろん会社としても社員には不満なく働いて欲しいため、最大限に希望を叶えようとはしています。
お互いにとってWIN-WINな環境を最大限に叶えるために聞いている意図があります。
会社側の意図や目的が分かれば、自分が何を伝えるべきかも明確になっていくでしょう。
希望を聞かれても通らないことも多い
20年以上前の日本では、応募者が希望勤務地で働ける可能性はほとんどありませんでした。
しかし最近は少子高齢化などの影響から労働力の確保がむずかしくなっており、なるべく長く働いてもらうため希望を叶えようとする会社は増えてきているようです。
しかし、だからといって必ずしも希望が通るとは限りません。
あなたの配属先は、会社が適当に振り分けているわけではないですからね。
例えば新卒採用の場合、会社はどのように新入社員を育てていくかプランを考えており、配属先の決定は会社なりの考えがあります。
よほどの理由がない限り、希望勤務地を伝えると会社の育成プランを潰してしまうかもしれません。
環境を変えると学べる内容もたくさんあるため、一つの場所に固執する姿勢を見せると「成長する意欲がない」という印象を持たれる可能性もあります。
最初に希望勤務地を伝えてしまうと会社とあなたの考えが合わないという悪印象につながる恐れがあるため、新卒採用では勤務地を指定しないほうが無難です。
もちろん、やむを得ない事情があれば正直に伝えておくべきなので、その点については後ほど解説します!
面接で希望勤務地を伝えてもいいの?
面接で希望勤務地を伝えてしまうとわがままな印象になるのではないかと不安に思う方もいるのではないでしょうか。
基本的には御社の意向に従いますが好ましい
面接や履歴書で希望勤務地を尋ねられた場合、基本的には「御社の意向に従います」と答えておいた方が無難ですね。
最初に希望勤務地にこだわりすぎる姿勢を見せてしまうと、わがままな印象に映ってしまい採用されにくくなる可能性があるからです。
転勤も問題なく対応可能であれば、積極的にアピールしておきましょう。
特に新卒の場合は成長意欲があるという印象につながるので採用に至りやくなります。
実際就職後に会社から転勤の辞令があれば必然的に従いますし、どうせ転勤になるなら面接でポイントを稼いでおいたほうがお得です。
しかし、「どうしてもここでなければならない」という理由があるなら、希望勤務地とその理由をしっかりと伝えておいたほうが良いでしょう。
無理をして企業に合わせすぎても長くは続きませんし、それで辞めてしまうと会社にとってもあなたにとってもマイナスになります。
理由があれば希望勤務地を言ってもいい
希望勤務地について、やむを得ない事情など特別な理由があれば伝えても大丈夫です。
「病気の母の看病をしているため、首都圏を勤務地として希望いたします。」
基本的には会社の意向に従う姿勢を見せたほうが採用の確率は高いのですが、地元を離れられない事情がある人もいるでしょう。
希望勤務地伝えたい場合は、希望する場所と理由を1セットにして伝えてください。
理由を長々と話すと押し付けがましい印象になるので、場所と理由は端的に1文で説明しましょう!
あなたの伝えた理由に対して様々な質問が飛んでくる可能性があるので、しっかりと応えられるように準備しておく必要があります。
回答がしどろもどろになっていると「嘘をついているのか?」と余計な疑念やマイナスな印象を与える可能性があるからです。
もちろん、嘘をつくのは絶対にNGです。
後でバレたら採用が取り消されたり最悪な印象でキャリアがスタートしますので、嘘の理由は絶対に言わないでください。
嘘をつくと入社後に辻褄を合わせたりする余計な労力とストレスがかかるのでおすすめしません・・・。
本当に地元に残らなければならないなどの理由がある人は少ないので、やむを得ない事情がある場合にのみ、正直に伝えてください。
もちろん希望を伝えたからと言って必ずしも意見が通るわけではありませんが、今後の配属先として考慮してくれる可能性は十分にあります。
自分なりのキャリアプランがあれば伝えるべき
あなたが実現したいキャリアプランを胸に秘めているのなら、希望勤務地と共にその理由を伝えましょう。
「都心部は求められるレベルも高く切磋琢磨しやすい環境なので、キャリアアップのために東京での勤務を希望します。」
このように自分が希望勤務地で何を達成しようとしているのか、その思いや考えを伝えるのは立派な動機になります。
また、積極的な姿勢であると受け止めてもらえる可能性があるので、以下のように最終的な希望を伝えるのは全然OKです。
「御社で様々な経験をさせていただき、ゆくゆくは地元の◯◯県で活躍したいと考えています」
企業の意向に従って様々な場所へ転勤しながら、最終的にどこでどのように活躍したいのかというのも一つのキャリアプランなので、良い印象を持たれます。
キャリアプランが明確にしておくと自分の意欲や上昇志向のアピールにつながるので、積極的に伝えていきましょう。
希望勤務地の理由は、会社にとってメリットのある提案が望ましいですね。
希望勤務地に使えるおすすめ理由
「実家から通いたい」「地元に残りたい」「首都圏で働きたい」など、人それぞれ違う希望勤務地があるはずです。
希望勤務地が東京や都会の場合
東京など都心部を希望勤務地として伝えたい場合は、キャリアアップなど仕事に意欲的な姿勢を見せると実現する可能性が高まります。
- 挑戦したい職種が都会に集中している
- 求められるレベルや高く学びが多い
都会に憧れがある、住んでみたいといった個人的な動機では採用してもらえないでしょう。
あくまでも会社のため、自分のスキルアップのためであるという前向きで積極的な理由を全面に押し出して伝えるべきです。
本心が「上京に憧れがある」くらいの理由でも問題はありませんが、面接官に伝えるときは好印象を与える理由を考えておいてくださいね。
また、希望勤務地を伝える際は、「◯◯県」など具体的に指定するより「首都圏」などと広めに伝えておくと希望に近い勤務地になりやすいです。
エリアを広めに指定し「融通が利く」という印象を与えられる可能性があります。
希望勤務地が実家近くの場合
希望勤務地が実家近くの場合、多くの方が「通勤が楽」「実家暮らしが出来て好都合」くらいの理由がほとんどではないでしょうか。
しかし、個人的な理由が面接官に通用するはずがありません。
- 家業を手伝う必要がある
- 家事手伝いが必要であるため
上記のように、実家の家族に何らかの理由で手伝いが必要であるという理由であれば、実家近くの勤務地に配属される可能性があります。
家族を手伝う必要があるとすれば、どのような手伝いをしているのか、「自分が離れると家族の生活にどのような影響があるのか」を伝えることが重要です。
また実家近くを希望した場合、「ずっと実家からじゃないといけないのか、数年後には転勤があってもいいのか」なども聞かれるでしょう。
上記のような質問には、前向きに答えるようにしましょう。
母の体調が良くなるまでは実家で一緒に生活をしながら様子を見たいと考えております。
1年後には父親も単身赴任から戻る予定のため、その後は転勤も可能です。
例文のように、将来的には実家じゃなくても大丈夫ということが分かれば、数年の間は実家近くの現場に配属など配慮してくれる可能性はあります。
会社の人事も鬼ではありませんので、明確な理由がある人はきちんと伝えておきましょう。
ただ、まるっきり事実と違う嘘はやめてくださいね。
希望勤務地が地元の場合
地元を希望勤務地として伝える場合、以下の2つの理由がおすすめです。
- 看病や看護をしなければならない
- 婚約者がいるため
「地元の友人と遊びたいから」「恋人と離れたくないから」という理由では相手にしてもらえません。
家族の看病や介護であれば地元を離れられないのは仕方ないので、必ず伝えておいた方が良いです。
恋人ではなく婚約者という言い方であれば責任感を持って働いてくれるイメージも湧きますので、事実なら立派な理由のひとつになります。
ですが、そもそも転勤がある会社なら遅かれ早かれ地元を離れるときがやってきますよね。
どうしても地元を離れたくない、転勤したくない場合はエリア職といった転勤のない職種に応募してみてはいかがでしょうか。
希望勤務地はどこでもいい場合
希望勤務地に特に希望がなく、どこでもいい場合は以下のような答え方をしておくと無難です。
- 住んだ経験のない場所で働きたい
- どこでも挑戦したい
「どこでも良いです」「特に希望はありません」という言い方だと消極的なイメージになるので注意してくださいね。
上記2つの回答も本質的には「どこでもいい」と言っているようなものですが、前向きで意欲的な伝わり方に変わります。
希望勤務地の書き方例文とポイント
面接時に提出する履歴書やエントリーシートに希望勤務地を本人希望記入欄へ回答する場面があるはずです。
例文①希望勤務地がある場合の書き方
希望勤務地がある場合、本人希望記入欄には「場所と理由」を分かりやすく端的に記入してください。
書き方例文
両親の介護が必要なため、◯◯を勤務地として希望いたします
婚約者がいるため、〇〇勤務を希望します。
家業を手伝う必要があるため、自宅から通勤可能な勤務地を希望します。
◯◯の業務に挑戦したいため、本社勤務を希望します。
このように、長々と理由を書く必要はありませんので「なぜその勤務地でなければならないのか」をシンプルに伝えましょう。
具体的な理由や背景については、面接時に聞かれたら詳細を話すくらいの気持ちで大丈夫です。
例文②希望勤務地の指定はない場合の書き方
あなたが独身で特に地元に残る必要もなく、希望勤務地の指定がない方だと、逆に何と答えればよいのか悩みますよね。
だからと言って「どこでもいいです」「特に無いです」と記入したり、無回答のまま提出するのはやる気がないような印象を与えてしまうのでやめておきましょう。
あなたが特に希望勤務地にこだわりがないようであれば、以下のように記入してください。
書き方例文
- 貴社規定に従います
- 御社の意向に従います
- 貴社の配属に従います
意味合いとしては「特になし」と同じですが、履歴書の回答として望ましいのは上記のような言い回しです。
希望勤務地を叶えるためにすべきこと
ここまで、希望勤務地を伝えるべきかどうか、どのように伝えるべきかを解説してきました。
正当な理由を話す
ここまでの記事の総論になりますが、あなたが希望勤務地を叶えるために「正当な理由」を話しましょう。
家族の看病や介護などの事情を話し、「どうしても地元を離れられないが、御社で働きたい」という明確な理由と会社への思いを伝えましょう。
都心部などに勤めたいという希望があれば、キャリアアップに積極的な姿勢をアピールしてください。
逆に「なんとなく地元を出たくない」「東京に憧れがある」など正当な理由がないのであれば、希望勤務地を伝えるべきではありません。
希望勤務地について改めて自分の考えと向き合い、本当にこの会社で働きたいのか、自分がどのように生きたいのかが明確になっていくでしょう。
正直な理由や思いを話せば、面接官に突っ込んだ質問をされても焦ったりせず対処できます。
面接で熱意をアピール
勤務地勤務地で働くためにも、面接で採用担当者にあなたの考えや思いをしっかりアピールしましょう。
面接官を納得させる理由や根拠をアピールできるのであれば、希望勤務地も考慮してくれる可能性はあります。
ただあくまでも希望なので、そこはしっかり理解しておきましょう。
最後の決め手となるのは、やはり人間性や人柄、仕事に対する熱意だったりします。
自信を持って面接に挑めるように、しっかり準備してから挑みましょう。
まとめ
今回の記事では希望勤務地の理由の書き方や面接での答え方について詳しく解説しました。
どうしても地元を離れたくない方や、「◯◯で働きたい」という強い希望がある場合は会社が納得できる明確な理由を添えて伝えるようにしましょう。
今回の記事を参考に、あなたが自分にとって理想的な働き方を実現できるよう応援しています!